インド木版更紗『ブロックプリント』
木版のことをチャパイと呼びます。木版は繰り返し押しては洗うので、耐久性に優れたチークやローズウッドなど硬い木を使います。職人が、たがねを木の棒で叩きながら手際よく彫っていきます。
木版が完成したら、次は捺染する職人へ引き継がれます。
捺染する職人をチーパーといいます。
しっかり洗った布を捺染台(幅1.2mx全長6m)に広げます。捺染台は、押しやすいようにクッションになっていて、内側に布が何重にも敷かれています。
染料を付けた木版を布に置いたら、手刀部分で木版の持ち手をトントンと叩く。叩くことで染料にできた気泡などが抜け、ムラなくしっかり染まります。柄や色を分ける場合は、乾かした後、その上から違う木版を重ねて押します。とても心地いい木版の音が工房に響きます。
1色押すごとに、布を大地の上に広げ、乾かし、洗い、また乾かし、木版を押します。すべての工程を手仕事で行うブロックプリントは、気の遠くなるほど手間のかかった美しい布に仕上がります。機械プリントにはない、木版特有のかすれや、ちょっとした柄のずれも、手仕事の生み出す愛おしいポイントです。